娘9歳: 「私、ボカロPになりたい」

と、2024 年末のある日言い出した。

こないだの模様替えまで、自分が居間でずーっと DTM をしていたので、その影響でなにか音楽作ってみたいって言い出すこともあるかなぁと思っていた。でも、自分がやっていたことの影響は軽微なようで、どちらかというと Youtube で見聞きしたボカロ曲の影響で、ボカロを切り口にして始めたいと、特にミクを歌わせたいと、まだ年齢が 2 桁にもならない子どもでもそんなことを思ったりする時代らしい。
こう、あれだな、昔で言えば、なんかカッコ良さそうだからエレキギターやってみたい、というのと同じような感覚なんだろうか。多分。

ボカロとは何であるのか、ボカロPとは何であるのかというのを必死に説明する娘を静止し、自室から初代(Vocaloid 2)ミクさんのパッケージを引っ張り出し、説明は不要であると、印籠の如く娘に突きつけた。

さて初代ミクさんをインストールしてみようかと思ったもの、初代ミクさんは流石にご高齢のため、現代の Windows で動かすのはなかなか難しいようだった。
調べていたところ、どうも Vocaloid V4X 向けのミクさんのおためし版が 39 日使えるらしいので、それで試してみて、続けられそうなら何らかの現在の Windows で動くミクさんを購入しようということになった。

ミクさん以外の機材選定

ミクさんはお試しでいくとして、、
とはいえ、色々要る。

DAW

ミクさんは39日間のお試しで来ていただくとして、 DAW をどうするかってのは悩みどころだった。

自分自身は数年前に Studio One から Ableton Live に環境を移していた。
Ableton Live は、よくある感じの DAW と文法が若干異なっているので、最初に娘に触ってもらうのには向かないなと思った。
いわゆるよくある文法の DAW については、バージョンが古いながらも手元に Studio One と Cubase がある。
何かあった場合に自分が教えてあげられやすいのは Studio One の方なので、まずは Studio One から始めてみてもらうことにした。ちなみに、娘に使ってもらうにあたって最新のバージョンにアップグレードした。

初音ミク V4X のおためし版を試すにあたって、公式の教本みたいなのを買った。
クリプトン・フューチャー・メディア公認 初音ミク V4X 徹底攻略ガイドブック

9 歳が読むにはハードルが高い本だったけど、どうぶつの森で鍛えた漢字力(どうぶつの森では、漢字にふりがなが振ってあるので遊ばせとくとそのうち読み方だけは勝手に覚えてくれる)で読み解いていたのですごかった。
で、この本の中には Studio One の少し古いバージョンの制限版の使い方の説明も含まれていて、斜め読みした限りは現在でも変わらないことが多かった。
なので、その部分もほとんどそのまま使えるぞと娘に伝えた。
結果的にではあるけど、DAW に Studio One を選んだのは正解だった。

モニタ環境

で、スピーカーやらヘッドホンやらのモニタ環境については、自分が以前から気になっていた Sennheiser HD6XX を購入して渡した。
うちには 20 年ものの HD580 もあるのだけど、これよりは少し低音と高音がともにシャッキリしていて、現代的に感じた。いずれにせよ、なんか作るのには充分であるように思う。
音量出しすぎてたら外から聞いて注意できるし、密閉型よりは開放型のほうがいいかなと思う。

子どもに買い与えるには高い買い物な気もするけど、かなり丁寧にものを扱ってくれるし、ヘッドホンは要所要所でメンテは必要だけど、いうて 20 年くらい使えるものだし、まぁええやろと思っている。

AUDIO IF は、この間の自分の部屋の模様替えの結果余った Audient EVO 8 を渡した。

スピーカーから音を聞く必要があるときには、部屋にある DJ ミキサーのモニタに繋いであるスピーカーから出すことができる。
自分の部屋に娘が使っているノート PC を持ってくれば、それなりのモニター環境で鳴らすこともできるので、まずはそれでいいということにした。

PC

最初は、妻側の祖父母からいただいた Windows 10 のノート PC を使ってもらうことにした。

でもまぁ、 Windows 10 は近々サポートも切れてしまうしどうしようかと思っていたところ、娘が、祖父母がうちに来た際にに、今こんな曲を作ってるんだとプレゼン(?)したことを景気に新しいものを購入していただいた。
ものとしては、自分が以前から気になっていた Dell Inspiron 14インチの 5445 ってモデルにした。
CPU は Ryzen 7 8840U、メモリは 16GB で、SSD は 1TB で、曲作りの初歩には困らないくらいの性能がある。
GPU は CPU に組み込まれている GPU としては性能が高いとされる Radeon 780M が乗っている。もし、ゲームを遊びたいと言い出しても、 Full HD であればまぁぼちぼち動くくらいの性能があるようだ。
というか、ゲーム向けのハンドヘルド Windows PC にも使われているような CPU だし、まぁ、それなりに色々動く、はずだ。(自分自身では未確認)

多分映像編集に関してもそこそこできるのだろうと思う。
Youtube でボカロ曲の MV を散々見て影響で始めたことだから、そのうち動画づくりも始めるかもしれないし、まぁそのへんまでカバーできるといいなと思う。
動画編集の際にメモリが不足する可能性はあるが、保守マニュアルを見る限り、メモリスロットにはアクセス可能なようなので、必要があれば大きいものに追い追い載せ替えてもいいかもしれない。

まぁ何にせよ、比較的利用用途は広く取れる割にお安いモデルである、気がする。

で、14インチのノート PC の画面覗き込んでの作業は大変だろうってことで、ディスプレイにはうちにもともとあった 4K のディスプレイを 2 台繋いでいる。
無理せず大きめのモニタをつなげるのも、 GPU がある程度の性能があるおかげかなぁと思う。

で、その後どうなったか

かれこれ 2 ヶ月以上、週に 3 日か 4 日くらいは 2~3 時間くらい DAW に向き合っているようだ。なかなかの集中力だと思う。
なので、ミクさん V4X の 39 日の試用期間が過ぎた後は、初音ミク NT ってのを買った。
買うにあたっては初代ミクさんのパッケージが残っていたおかげで優待が聞いて数千円安く買えた。

今朝も娘は Studio One に向き合っていたようだ。
やー、えらい。がんばれー。

お父さんもちょっとは頑張ります。

M4 が乗った Macbook Air が発表されたので M4 が乗った Macbook Pro を買った

M4 が乗った Macbook Pro を買った

もともと 2019 年に発売された、 Intel の CPU が乗っていて USB C が 4 ポートついている Macbook Pro を使っていた。
かれこれ 5 年半使ったし、そろそろ OS のサポートも切れかねないので、買い替えを検討していた。

で、そのうち M4 が乗った Macbook Air が発売される、しかも事前の予想では4Kのディスプレイを 2 枚繋いでかつ本体のディスプレイも表示できるようになるし、USB C のポートも 1 つ増えて 3 つになると噂されていた。

自分の作業環境には 4K ディスプレイが 2 枚あるので、これをうまく使えると嬉しいし、ディスプレイを2枚繋いだうえで更に USB C のポートが余っていると、Macbook Pro で Raspberry PI Pico の SDK を使ってプログラミングするときに、Pico やらデバッガやらロジアナやらをつなげてとても嬉しい。
ので、すごく期待をしていた。

先日 M4 が乗った Macbook Air の詳細が発表された。4Kのディスプレイを 2 枚繋いでかつ本体のディスプレイも表示できる部分は事前の予想通りだったものの、USB C のポートは従来の Macbook Air 同様に 2 個だった。

買い替え先の Macbook の SSD は 512GB 必要なので、Macbook Air なら 20 万円弱、 Macbook Pro なら 25 万円弱のモデルを買うことになる。
その差は 5 万円あり、悩ましいところだけど、もし Macbook Air を買ったとしたら、周辺に色々つなぐためのポートレプリケーター(USB C を HDMI やらなんやらに変換してくれる箱)を買い足す必要がある。なんなら外出時にもポートレプリケーターを持ち出さなければいけない場合も考えられる。

ノート PC は、ここ最近は 5 年強周期で買い替えている。なので、この先 5 年で、Macbook Air の USB C のポートが少ないことが原因でいくら位の周辺機器を買い足すことになるだろうかと考えると、実はそれなりに快適に運用するうえでのコストの差は 5 万円はないと思った。

あと、今、在宅勤務で使っている会社支給の仕事用の端末が M1 Macbook Pro であり、ついているポートが(Thunderbolt のバージョンが違う等の細かい違いはあれども)ほぼ同じで、仕事が終わったあとに本体だけ仕事用のものから、プライベートのものに入れ替えてケーブルを繋ぎ変えるだけで、手間少なく使えるのがイメージできた。
1 年で 200 日働く。仕事の開始時と終了時にそれぞれ繋ぎ変えを行うので、1 日に 2 回ケーブルの差し替えを行う。なので 1 年で 400 回差し替える。5 年間では 2000 回の差し替えを行う。
配線の手間が増えて、例えば毎回 1 分ずつ増えたとするとそれだけで 33 時間になる。
33 時間の可処分時間を 5 万円弱で買うと思えば、そう悪い出費ではないように思った。

そんな感じで、結局、M4 が乗った Macbook Air が発表されたので M4 が乗った Macbook Pro を買った。

Intel から Arm な Mac への移行

こんなことはもう色んな人がやってるのでわざわざ書く必要ないのかもしれない。
Mac から別の Mac へ移行するときにはファイルのコピーをサポートしてくれるツールがあって、それを使うことができる。
今回も基本はそれを使ったのだけど、CPUの種類が異なるものの間での移行なので、動かないプログラムがなにか出てくるであろうことは予想していた。
動かないものはもちろんいくつかあってそれぞれ対応したのだが、homebrew 本体とhomebrew 経由でインストールしたパッケージについても律儀にコピーされてきており、これの移行に若干工夫が必要だった。

移行後の M4 側の環境で、brew uninstall がまともに動かなかった。これは、 brew コマンドの中で intel 向けの ruby の interpreter が動くからであるようだった。
少し悩んだけど、terminal 自体を rosetta2 を有効にして動かすと、中で動いている zsh やらそこから実行されるコマンド類も rosetta2 が有効な状態で動かすことができるようなので、rosetta2 を有効にして brew uninstall 及び brew 本体の削除を行った。

一通りのアンインストールが終わったあと terminal の rosetta2 を無効にし、arm 環境向けに再度 homebrew 本体と各種パッケージのインストールをした。

rosetta2、よく出来てるなぁって思った。