ラブライブ「Snow halation」 CDとe-onkyoハイレゾ音源聞き比べ

先日、友人F氏の働いているオーディオ屋に遊びに行って、音源持ち込んでいろいろ聞かせてもらいました。さすがにペアで100万もするニアフィールドモニター(ちなみに、musikelectronicのRL940)はいいなーとか思ったりしました。

聞きたいと思っていた持込み音源の試聴も一通り終わって、一息ついたときに友人F氏がこういうわけです。「ラブライブのハイレゾ音源聞きました?」と。
いや、なんか、以前にtwitterのTLに流れてきたブログ(http://jobless-fish.com/?p=135)ではCDがひどいとかいろいろ言われているのは前に見たし、音源あるなら聞いてみようじゃないかという話になり、聞き比べしたら確かにかなり違う。違うけど、別にこれはクリッピングに依存するものじゃなくて、もっと大きな違いである気がしたわけです。

で、日を改めて、CDとハイレゾ音源を購入し、一体全体何がどう違ったのだろうと考えてみることにしました。自分も趣味とはいえ、音楽をやっているものの端くれとして、この違いが何であるのかを検証し、今後の自分の音作りに役立てられればと。そう思ったわけです。

ちなみに、調査には Cakewalk Sonar 8.5とiZotope OZONE5を用いました。比較用の音源には、シングルのSnow halationとe-onkyoで販売されているハイレゾのSnow halationを用いました。

 

 音量の比較

まずは、簡単に音量の違いからいきましょうという感じで。音量の比較には、わかりやすさ重視のために1番のサビから25小節(「届けて切なさには」から「まもなくSt」まで)を用いました。

比較した結果がこちら。

CD e-onkyo ハイレゾ
ピーク -0.0db -0.1db
VU -5.3db -6.0db
LUFS -6.0 -6.8

まぁなんていうか、CDのほうが大きいです。各項目の雑な説明。

  • ピーク
    デジタルのデータ上でもっとも大きい瞬間の音量。最大値が0.0db。値が大きいほど音量が大きい。
  • VU
    0.3秒の音量の平均。人間の耳は急な音量変化には反応できず感じる音量は0.3秒くらいらしいので、人間の感じる音量に近いらしい。使ったメーターがVUの最大値をキープしてくれないので目で追いかけてこれくらいが最大かな、と思った値を使用。これも値が大きいほど音量が大きい。
  • LUFS
    VUでは音量の平均だけを取っていましたが、もっと人間の感じる音量に近づけるために、いろいろ計算しているメーター。放送するときの基準音量などに用いられている。25小節のループ区間の平均値を使用。これも値が大きいほど音量が大きい。

というわけで、なんとなく、人間が聞いたら0.7dbくらいCDのほうが大きく感じるらしいです。なるほどなるほど。ピークはまぁ、CDの方はクリッピングしているらしいので当然0.0dbって感じでした。

周波数ごとの音量のバランス比較

次は、周波数ごとの音量の違いについて調べてみます。まあ要するに、低音の音量が大きい、とか、高音の音量が大きいとか、そういう話です。

調査方法ですが、iZotope OZONE5についている、マッチングEQ用のスナップショット機能を用いて、1番のサビから25小節のスペアナの平均値を取りました。

結果がこちら。

snowhalation_compare

全体的に音量が違ったりみたいな差はあるのですが、大きく違うのは高音域の部分です。CDのほうがかなり大きく、しかも16000kHz付近にピークがあります。この音は、結構チリチリして聞き疲れします。家に帰ってきてCDを最初に聞いた印象は、「高音キツいなぁ」だったのでこの時点でなるほど感ありました。
ちなみに、この音域って、加齢に伴って聞こえづらくなってくるぎりぎりの帯域なので、ここをどう思うかってのは個人差が結構あると思います。いわゆる、歳を取ると聞こえなくなってくる、モスキート音って言われるあたりの音がこの辺です。若者がたむろするのを防止するためにも使われたりする音なので、聞こえる人にとっては疲れる音、でもあるのかなと思います。

他にも細かい差が結構あって、50HzあたりはCDがちょっと大きく、120Hzあたりと2000Hzあたりはハイレゾが大きいという感じでした。
50Hzと120Hzの音量差はマルチバンドコンプの低域のセッティングの違い(CD版のほうがアタック早め)によるもの、2000Hzのあたりが大きいのはEQのセッティングの違いによるものかなという気がします。まぁ、正直このくらい細かい話になってくると良くわからん。

 

歯擦音が気になる

聞いていて気づいたことで、この辺からだんだん説明が難しくなってくるのですが、スペアナを眺めている最中に歯擦音の周波数帯域がやたら高い位置にあることに気づきました。

歯擦音というのは、雑に説明すると、ローマ字で言えば「s」の音です。サ行の最初に出る、空気がスーと抜けていくときの音のことを言います。一般的に、歯擦音は6000~10000Hzを中心に存在する音です。ミキシングの過程で、急激な音量の上下や聞き疲れを避けるために、この音を小さくする処理を行うことがあります。このような処理専用のディエッサー(desser)と呼ばれるエフェクターも存在するほど一般的な処理です。

ですが、この音が妙に気になるというか、Snow halationの場合は、10000Hzから16000Hzにかけて歯擦音が残っているようで、サ行を発音するときにスペアナのこの部分が大きく出ていることに気づいて不思議に思いました。そんなところに歯擦音、普通できないよなぁ。。と。

意図的な処理なのかもしれませんが、これもまた高音が大きく出ていることと相まって、音がシャリシャリして聞き疲れする一因になりうるよなぁという感じがしました。

snowhalation_s

ちなみに、サビの歌いだしの「とどけてせつなさには」の「せ」の部分です。どの歯擦音もこんな感じでした。歯擦音ってこんなに上まで出るものでしたっけ?

 

まとめ:なんかCDのほうが音量でかくて高音が特にでかい

音が悪いって感じるのは、この辺の違いなのかなーと思って、EQで上のほう削ってみたら、だいぶ聞きやすくなりました。

ハイレゾの方が理論上、より高い音が多く出るので高音をたくさん出すのかなと思っていたのですが、そういうわけでもなかったので、ちょっと意外な感じでした。

マスタリングが違うだけでこんなに違うんだなぁと言うのが良くわかる例だったと思います。
うーん。勉強になった。他のリマスタリング盤でも比較してみたいなぁ。

「ラブライブ「Snow halation」 CDとe-onkyoハイレゾ音源聞き比べ」への3件のフィードバック

  1. snow halation (というよりラブライブのCD音源)はクリッピングがすごい頻度で起きていますが、それに関してはハイレゾ音源との違いは何か感じられましたか?

    1. もうだいぶ昔の話なのでよく覚えていませんが、本文にも書いてあるように、音の違いはクリッピングに依存するものではないという気がしました。
      少なくとも「音の悪さのうちここの部分はクリッピングに起因するものだ」と音の悪さの要因を細分化して、そこだけを抜き出して考察するようなことは私には出来そうもないです。

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