intelの4コアatomの乗ったPCを3万円くらいで組んでTV録画マシンに仕立てた。という雑文。

これまで、atom330という2008年ころのatomのベアボーンにfedora17+epgrecを適当に突っ込んで録画サーバに仕立てていました。で、去年の夏あたりからおそらく熱で勝手に電源が落ちてたりしたのでどうにかしなきゃなぁと思っていました。とはいえ、最近までいい感じに耐えてました。でも、この5月末に気温の上昇のせいかどうかはよくわからんのですが、一日に何度も落ちるようになってしまいました。なので、ああ、もうこれは新調待ったなしだなと思って思い切って新調しました。

新調に当たっては、やっぱり電源をつけっぱなしにするものなので、消費電力は小さいに越したことないし、atomで組んでみることにしました。

っていうかatomいいじゃん。かっこいいじゃん。atom。

ハードウェア構成

最近、intel windowsのタブレットが普及する要因をつくったbaytrailのデスクトップ版であるCeleron J1900で行こうと兼ねてから思っていたので、これを用いてざくっと組んでみました。
ちなみに、録画には、PT3を使うことにしました。

部品 商品名 大体の値段(100の位切り上げ)
マザボとCPU Celeron J1900 Mini-ITX Q1900B-ITX 10,000円
メモリ SO-DIMM PC3-10600 4GB 4,500円
HDD WD Green 3.5inch IntelliPower 2TB 8,500円
電源とケース IW-BL634B/300B 8,500円
地デジキャプチャーボード PT3 12,000円

しめて 43,500円。
キャプチャーボードがなければ31,500円でatomとはいえ4コアのマシンが組める時代ですよ。すごい。
ちなみに上記価格は3桁め切り上げていたりとか、、ケース+電源はPT3使用時特有の事情があって、ちょっと高いものを選ばざるを得なかったとか、HDDも1TBで十分だったりとか色々値段が上がる要素があります。で、削れるところをちくちく削っていけば25000円弱で組めるところまで確認ました。ほんといい時代だなぁと思います。

ちなみに、PT3を使うときにはケース側にPCIカードを刺す拡張スロットがあるケースを買わないといかんのです。小さいケースはこの拡張スロットがないものが多いので、これだけでぐっと選択肢が減たりとか値段が上がったりとかしてちと辛い。

ICカードリーダーは元の録画マシンで使っていたものを転用。ちなみにこれです。
日本国内だとすごく入手性がいいやつ。

ソフトウェア構成

最近foltiaの社長さんと知り合いになったので、録画マシン組み直しの際にはfoltia anime lockerを使いたい!って思っていたのですが、現行のfoltia anime locker version3はCentOS 6.4ベースで結構古め。回避方法があるかどうかはよくわからないのですが、インストーラーが上がって来ませんでした。USBの割り込みがうんぬんとか言って。ちなみに、CentOS 6.5のインストールもとりあえず試してみたものの、こっちもダメでした。

時間があれば腰を据えて原因究明といきたい所なのですが、自分がオーガナイズしているパーティーが近くて、それの準備だとかremix作りだとかもあって、あんまり時間をかけてもいられなかったので、とりあえずfoltia anime lockerについてはここで断念。

気を取り直して、debian 7.5(Wheezy) + chinachu で組んでみることにしました。
基本、chinachuのインストール手順どおりでいけましたが、libccidにちょっとした修正が必要でした。

http://baalzephon.no-ip.org/tech/index.php?Linux%2F%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E9%96%A2%E9%80%A3%2Flibccid

あとはなんかすんなり行った。よかったよかった。

で、適当にmediatomb設定して、iPadやらから見られるように。

結果

いろいろ快適です。
chinachuにはavconvを用いてトランスコーディングしてくれる機能もあるのですが、この機能は性能的にぎりぎり使えるかな?という感じ。

思うこと

foltia anime locker 使いたかったけど、使えなくて残念でした。
fedoraベースだと、年がら年中ユーザにアップデートを要求することになるのでキツいのはよく分かるけど、CentOSベースも新しいハードウェアになかなか追従できなくて大変だなぁという気がしました。RHEL6.0リリースが2010年ですしねぇ。
とはいえ長期に使い続けることを考えると、10年間アップデートが行われるRHELベースであることが重要ってのも分かるけどー。わかるけどー。

製品へLinuxを適用する際の難しさみたいなものを、休日にもかかわらずモロに受けてつらかったです。

とはいえ、atomで録画マシン組みたいって思ってる人は自分以外にもたくさん居そうだし、使えたらいいのになぁ。実はちゃんと使えます、とかだったら、いいのになぁ。。

春のヘッドホン祭り 2014 行って、イヤホンの難しさを知る。

結構定期的にやってるヘッドホン祭、行ってきました!
いろんな製品が見られたし、聞けたし、非常におもしろかったです。
http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php

僕個人としては、次買い換えるならゼンハイザーのIE80だなぁというのは結局揺らぎませんでした。

で、まぁこのエントリで、個々の製品について詳しくどうこう言うことはあんまり考えていません。

で、今回、いろんなメーカーの方の話を聞いて感じたのは、「みんな耳の穴の形とか長さとかが違うので、一概に誰もにとってこのイヤホンがいいとは言えない」ということとでした。そして、作る側の人はそれを分かっていて、織り込んで設計していると言うことが実感として持てたということが非常に大きかったです。

だから、そもそも自分にとっていい聞こえ方をするイヤホンが誰にでもいい感じに聞こえるとは限らないということ。これをちょっとでもいいので意識しながら日々過ごそうと思う。
この現実を抑えた上で、人にお勧めの機材を進められたときにどうするのか。何を基準に音を作っていくのか、考えなきゃいけないなぁと思った。

考えなきゃいけないことは多いなぁ。

たまこラブストーリー観てきたし、こいのうたのremixもした。

たまこラブストーリーみてきました!とてもよかったです。とてもよかったです。

およそ2時間という限られた枠の中で、各キャラクターの心理描写がわかりやすいものも、そうでもないものも含めたくさん放り込まれている濃い2時間でした。たまこマーケット観てた人は皆見に行った方がいいんじゃないかな。ほんとに。ネタばれになるから、あんまりかけませんが、みどりちゃんにはもうとにかく幸せになって欲しいです。あと、かんなのぶれない立ち位置が好きです。僕もかんなみたいな強い子になりたい。

で、観に行った2日後くらいに、主題歌CDが発売されていることにふと気づいて、勢いでremixしました。
なんとなく、楽器が弾けない人でも出来るような、趣味で楽器弾いてますみたいな人でもどうにかなるようなシンプルなアレンジにしようと思って、作ってみました。

もう一度、観に行こうかなぁ。たまこラブストーリー。

YLUG(Yokohama Linux User Group)のカーネル読書会で喋ってきました。

昨日、5月2日に(Yokohama Linux User Group)のカーネル読書会でプレゼンしてきました。

内容としては正直あんまりたいしたことなかったので特段スライドをアップしたりとかはしませんが、LKFTをよろしくお願いします、というないようでした。

http://lkft.sirrow.info/

Linux Kernelには日々昨日が追加されていくし、それを全部追いかけるのはなかなか大変です。
LKMLという公式のメーリングリストもありますが、流量が多いのでこれを追いかけるのも辛い。
で、Linuxは新しい機能が増えると、その機能を有効にするかどうかみたいな設定項目が増えるので、その増分をblogに自動postすればPCからでもスマホからでも観られるし、便利ですよねぇ。という発表でした。

「カーネル読書会」という名前に見合わないようなカジュアルな内容でしたが、非常に評判がよくて、楽しかった。もうちょっと色々工夫して便利に出来ればいいなぁと思えてきました。

お酒のみながらいろんな人と喋れたし、本当に楽しかった。行ってよかったなぁ。

あと、twitterのbotないの?って言われたので作りかけだったの、作りきりました。

http://twitter.com/lkft_bot

ラブライブ「Snow halation」 CDとe-onkyoハイレゾ音源 新旧 聞き比べ

2014年4月17日に e-onkyo より「Snow halation楽曲ファイルを更新したので再DLしてください」という旨のメールが届きました。(という事をtwitter経由で知りました。)

以前に『ラブライブ「Snow halation」 CDとe-onkyoハイレゾ音源聞き比べ』というblogエントリを書きましたし、やっぱりここは更新された音源についても色々調べてみようってことでちょっと頑張ってみました。
以下、Snow halationのCDの音源を「CD版」、更新前のハイレゾファイルを「旧ハイレゾ版」、更新後のハイレゾファイルを「新ハイレゾ版」と記載します。

検証は、前回同様Sonar 8.5、iZotope OZONE5を用いています。

新ハイレゾ版第一印象

旧ハイレゾ版と比較し、voが前に出てきている。おそらく2000~4000Hzあたりが大きくなっていたり全体の音量が大きくなっていたりするのだろうという印象を受けました。
あと、ギターの音はCDのものになっていました。

検証1 旧ハイレゾ版と新ハイレゾ版を逆相にして混ぜる

もともと、CD版と旧ハイレゾ版でギターの音に異なるものが使われていて、ちょっとした話題になっていたのですが、新ハイレゾ版ではCDと同じギターの音が使われています。このため、旧ハイレゾ版と新ハイレゾ版を逆相にして混ぜると、ギターの音だけが大きく残ります。

ただ、このときに残っているのは、ギターの音だけではなくて、voの2000Hz以上や、他のトラックの音も残っていました。このため、旧ハイレゾ版と比較し、ギターをCDで用いていた音に差し替えた上で、おそらく、マスターのEQのセッティングを変更したのではないかと考えられます。

検証2 音量を比較する

以前のエントリ同様に1番のサビから25小節(「届けて切なさには」から「まもなくSt」まで)の音量の比較を行います。前回はRMSに関しては、目で適当に確認していたので適当な値だったのですが、今回はまじめにチェックしたため値が変わっています。

CD版 旧ハイレゾ版 新ハイレゾ版
ピーク -0.0db -0.1db -0.2db
VU -4.8db -5.4db -5.0db
LUFS -6.0db -6.8db -6.4db

各調査項目についての説明が以下です。

  • ピーク
    デジタルのデータ上でもっとも大きい瞬間の音量。最大値が0.0db。値が大きいほど音量が大きい。
  • VU
    0.3秒の音量の平均。人間の耳は急な音量変化には反応できず感じる音量は0.3秒くらいらしいので、人間の感じる音量に近いらしい。使ったメーターが VUの最大値をキープしてくれないので目で追いかけてこれくらいが最大かな、と思った値を使用。これも値が大きいほど音量が大きい。
  • LUFS
    VUでは音量の平均だけを取っていましたが、もっと人間の感じる音量に近づけるために、いろいろ計算しているメーター。放送するときの基準音量などに用いられている。25小節のループ区間の平均値を使用。これも値が大きいほど音量が大きい。

ピークだけは新ハイレゾ版が一番小さいですが、VUとLUFSについては新ハイレゾ版は旧ハイレゾ版より大きくCD版よりも小さいという事がわかりました。第一印象はどうやら正しそうです。

検証3 周波数ごとの音量のバランス比較

周波数ごとの音量バランスについても、前回と同様、、iZotope OZONE5についている、マッチングEQ用のスナップショット機能を用いて、1番のサビから25小節のスペアナの平均値を取りました。

まずは、旧ハイレゾ音源と新ハイレゾ音源の比較です。

old_new

ぱっと見ほとんど差がないのですが、拡大して確認すると次のことが言えます。

  • 30~80Hzは新ハイレゾ版のほうが大きい
  • 80~180Hzは旧ハイレゾ版の方が大きい
  • 300~600Hzは新ハイレゾ版のほうが大きい
  • 800Hz以上は新ハイレゾ版のほうが大きい
  • 特に3200Hzあたりが新ハイレゾ版のほうが大きい

ざっくり言うと、ベースの帯域以外は新ハイレゾ版のほうが大きいという事になります。

ついで、CD版と新ハイレゾ版の比較です。

cd_new

  • 900Hz以下はCD版のほうが大きい
  • 2000Hz~6000Hzは新ハイレゾ版のほうが大きい
  • 9000Hz以上は新ハイレゾ版のほうが大きい

という感じでした。新ハイレゾ版は、CD版や旧ハイレゾ版に比較し、主旋律の入る音域のが大きく、なんとなくvoが前に出てきている印象になっていることがデータ上もわかりました。
あと、CD版にあった高域の出っ張ったところも新ハイレゾ版ではなくなっていました。いい感じです。

まとめ

新ハイレゾ版はいい感じでした。CD版、旧ハイレゾ版、新ハイレゾ版と3つ聞いてきましたが、新ハイレゾ版が一番よいと思います。修正された箇所はギターだけではなく、音域のバランスに対する修正も入っており、これがなかなかいい感じだとおもいます。

全体の音域バランスを見直したであろうその結果として、新ハイレゾ版は旧ハイレゾ版と比べると音量が大きくなっています。が、出すべきところを出して、その結果いい感じになってるし、いい感じだと思います!

以上、ざっくり、いい感じになったと思いました!

おまけ

今回の一件では、更新データの再配布が行われました。これは、従来、CDではコストがかさんで事実上不可能なことであったと思います。電子的な配信であるからこそ、なしえたことだと思います。これは、従来CDという物理媒体で物を売ってきた人たちにとって、全く新たな試みであり、各種調整も大変だった出あろうと思います。
音源を修正してくれたという事それ自体がとても喜ばしいことではありますが、「修正した音楽データを再配布した」という前例が出来たことが非常に価値があるのではないかと感じています。これについては、もっと深く考えなければならない点であると思います。

同列で語るべき事象かどうかは難しいところですが、音楽と同じくデジタルソフトウェアである家庭用ゲームではゲーム本体や修正パッチなどがインターネット経由で配布されることはとっくに当たり前になっています。

また、「後日、追加のデータやブックレットを追加配信する」といったような、デジタル配信だからこそ可能な商品の形態も考えられるのではないかと思います。
ゲームで言えば、あとで追加ダンジョンを配信する。みたいな。

そんな感じで、音楽というデジタルソフトウェアと、それを取り巻く業界が、この観点でどのように進んでいくのか、一消費者としてゆるゆると見守りたいと思います。

追加検証

新ハイレゾ版の音量を-1.0dbして、旧ハイレゾ版と重ねると綺麗に消えるよという情報をいただいたので、確認してみました。
うちの環境では新ハイレゾ版-0.9dbすると、確かに大部分の音が綺麗に消えました。唯一Aメロの前半に入っているベルの音が消えませんでしたが、なんか理由はよく解りません。
どうやら新ハイレゾ版のほうが全体の音量を大きくした上で、マスタリングを行っているようです。
色々聞き返したところ、マスターのEQのセッティングが変わっていることよりも、0.9db多く突っ込むことによってマスターのコンプレッサーの動きが変わった差分が聞こえている感じがします。